羊と鋼の森

奇跡の耳が、奇跡の指が、備わっていたら、どんなに素晴らしいだろう。

 

目指す処は、遥かに遠い。 

 

でも、この仕事は、ひとりでは完成しない。

相手がいてはじめて生きる。

 

だから、どう間違ったか、自分の耳で、自分の身体で記憶して、一歩ずつ進むしかない。  

 

ハッキリと言葉で示せないけれど、上手く形になっていないけれど、私の中にはある。  これが 心理療法だというもの。これが臨床だというもの。 それだけで やっていけるはず。

 

才能が試されるような段階に、自分はまだいない。